PERを使っているだけでは見えてこない今の株価の割安度:by Gary Black
ま、株式益回りのことなんですけどね💛
益回りと、10年債利回りとを見比べて、そのスプレッドを見れば、「割安」の見え方も変わってくるというお話です。
The PM quoted in the CNBC article doesn’t get basic valuation math. Paying 22x earnings (EPS yield of 4.5%) when risk-free rates are 0.8% (3.7% spread) is far more attractive than paying 15x earnings (6.7% eps yield) when risk free rates are at 5% (1.7% spread). https://t.co/vHpBqkECSA
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月18日
現在の S&P500 のPERが20をこえているんですが、それをもってして、割高だ!とか
MSFTのPERは全く許容できないとか言ってるPMがCNBCに出てたらしいんですが。。。
PERが22のとき
株式益回り(EPS yeild)= 1/22 = 4.5%
PERが15のとき
EPS yeild = 1/15 = 6.7%
これだけ見れば「株式に投資してるのに4.5%の利回りなんて受け入れられない」という声出てきそうです。
ただリスクフリーレート(通常は米10年債利回り)を加味すると
現在 4.5%-0.8%=3.7%(スプレッド)
過去 6.7%-5% =1.7%(スプレッド)
ということになって、現時点でもまだ株価は割安という判断になるんですね。
過去のリスクフリーレートに3%ではなく、5%を持ってきているのかはインフレ率の織り込み具合をどうとらえるかなのでしょうが、とにかくPERの比較だけで割安・割高の判断はできないということですね。
あくまでも相対的に比較して「割安」なら買われるので。
FRBの緩和が強烈な株価上昇を生み出すロジックはコレですね。
みなさん肌感覚ではわかっているでしょうが、あえて言えばこういうことだと思います。
バイデンが当選して、再ロックダウンして、強烈な財政出動したとします。
すると通常は期待インフレ率が上がりリスクフリーレートも上がるので、スプレッドは縮小し、株式の売られる要因になるでしょうね。
トランプの場合はロックダウンしないし、これ以上の過度な財政出動もほぼないでしょうから、長期金利は低いまま、株式にとっては追い風でしょうね。
ただ今はその兆候はないですけれども、どちらが当選しても、インフレが止まらない場合は株式とくにグロースにはネガティブにはたらきますね。