ウォール街のプロが教える理論株価の算出方法: by Gary Black
以下は全て四則演算しかでてこないので、計算で難しいことは何もありません。
割り算したものを足し合わせてるだけです。
I’m going to try explaining this again. $TSLA value can be calculated using a present value (PV) framework.
Inputs:
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
Current Year EPS
EPS growth next 5 yrs
Div payout (if any)
10yr Treas yld
Equity risk prem (ERP)
Beta
Steady state P/E 5 yrs out based on proj EPS growth after Yr 5. pic.twitter.com/1sKakIRNE1
このモデルにインプットする変数は
・今年度のEPS
・EPS成長率(次の5年間)
・配当の支払い比率
(もし配当を出すのなら必要だが、テスラなどのグロースにはあてはまらない)
・米10年債利回り(リスクフリーレートとして)
・株式リスクプレミアム(株式市場というリスクをとることへのリターン)
・ベータ(その株式のボラティリティみたいなもの)
・5年後以降のEPS成長率
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2/ I estimate $TSLA value using a 5-yr PV framework. Others use 10 or even 20 years. TSLA’s PT is the price at which I expect TSLA to trade in 6-12 mo. Mathematically, the PT is the PV of all dividends, plus the future price of TSLA in 5 yrs, disctd back at TSLA’s cost of equity.
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
テスラの、5年間の業績予想に基づく現在価値(PV=present value)を見積もってみます。
5年間ではなく、10年間、20年間の業績予想を使う人もいます。
テスラのプライスターゲット(PT)は、6~12か月の間に達成されるであろう目標株価のことです。
算術的には、予想株価は、「今後の配当の現在価値」と「五年後の将来の株価を現在価値に割り引いたもの」です。割引に使うのは、テスラの資本コストです。
資本コストはWACCのことです。
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3/ $TSLA pays no dividends, so all value is in the 2025 stock price, which is based on the P/E in 5 yrs, mult by the proj earnings in 5 years.The discount rate is the risk-free rate (10yr Treas yld), plus a risk premium equal to the mkt equity risk premium (ERP) ~6% x TSLA beta.
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
テスラは配当しないので、2025年の株価のみが問題となります。
(つまり式の前半の項は全く無視するということ)
これは5年後のPERと5年後のEPSによって求めます。
割引率は、リスクフリーレーと(米10年債利回り)と「株式リスクプレミアム(6%)にテスラのβをかけたもの」を足し合わせて求めます。
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4/ My $TSLA PT is $600, based on a 2025 EPS of $18 @ 50x P/E at 2024 YE, based on proj 2025-30 EPS growth of 25% (2x PEG). My 2024 YE price of $900 is disct’d at 9.5% for 4.25 years (Oct 2020 to Dec 2024). The 9.5% rate is 10yr Treas yld of 0.8%, plus 6% ERP x TSLA beta of 1.45x. pic.twitter.com/125I3y95M5
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
今後6ヵ月~12か月のテスラの目標株価は600ドルです。
(この後ブラックさんは、Q3決算発表を受けて750ドルに引き上げている!)
インプット
2025年時点の株価の予測前提
・PER 50 倍
・PEGレシオ2倍
・2025~2030年のEPS成長率25%
50 = 2×25 です。
これはテスラの成長ドライバーが実現した際には控えめな数字です。
・2025年度の予想EPS 18ドル
(Q3決算後に 18→21 ドルに引き上げられています)
18×50=900
900ドルがブラックさんの考える2025年時点の目標株価です。
高成長企業の場合、PEGレシオ2倍は正当化されるので、5年後の予想EPS、その後のEPS成長率を見積もるのかキーポイントです。
これを現在の価値に直してあげるのですが、そのときにつかう割引率は上述の資本コストです。
資本コスト=割引率=9.7%=0.8%+1.45×6%
これは理論的背景はモダン・ポートフォリオ理論ですが、計算上はいたって簡単です。
0.8%=米10年債利回り
1.45=株式β=市場平均が1%動いたときにテスラがどれだけ動くか。
6%=株式リスクプレミアム
=現在の10年債利回りを見つつも、株式投資したらこれくらいのリターンは欲しいよね。
で900ドルを1.097で4.25回割ると(4年と1クォーター分割り引く)、およそ600ドルというプライスターゲットがでてきます。
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5/ When $TSLA beats Street EPS ests, TSLA stock increases because future earnings may get revised upward, and P/Es get repriced higher if markets assume the acceleration in growth will persist. Non-recurring items (e.g., one time tax credits, legal settlements) get excluded.
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
もしテスラが今後の決算で、アナリスト予想を上回るEPS成長を出してきたら、将来のEPSが上方修正される。
それに従って、目標株価も上方修正される。
またその成長の加速が続くと思われたなら(さらなる高PERの正当化)、インプットの値が上ブレるので、モデルに従って目標株価は上昇する。
ただし、計算に際して、訴訟利益とか繰り返し発生しない利益は除外される。
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6/ $TSLA often rises before earnings if investors expect delivery growth, price increases, or margin expansion will exceed Street expectations. Delivs are a function of global SAAR, EV penetrat’n and TSLA’s EV share. Investors who buy in front of earnings often sell on the news.
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
出荷台数増、出荷に影響しない値上げ、マージン拡大がアナリスト予想を上ると投資家が考えれば、決算前に株価は上昇する
出荷台数はグローバルでの、SAAR、EVの浸透率、その中でのテスラのシェアから計算される
また決算前に買い上がる投資家は、はしばしば好決算で売りにまわることがある
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7/ To determine if $TSLA is cheap, one compares price to present value. If price is well below PV, a stock is viewed as cheap. Some analysts use P/Es as shorthand to assess cheapness. Normally they look at P/E vs future 5-yr EPS growth. PEGs <2x are usually considered cheap.
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
今の株価が安いのかどうか判断するためには、つねに「現在価値」と比べなければならない。
ただしもっと簡便にPERを割安の指標とする人もいる。
その場合は、予想PERと5年間にわたるEPS成長率とを比べる。
(つまりPEGレシオを見て割安かどうか判断するということ)
PEGレシオ=予想PER/EPS成長率
成長株に関してはこの
PEGレシオが2を下回れば割安と考えてよい
とされている。
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8/ Three conditions can cause P/Es to go higher (multiple expansion):
— Gary Black (@garyblack00) 2020年10月21日
- Higher future vol/rev/earnings growth, usually because TAM expands or mkt share increases
- Lower int rates
- Lower beta$TSLA stock increase most when earnings ests increase and P/Es expand simultaneously
このPERの上昇(マルチプルエキスパンション)を引き起こす3つの要因は以下となっている
①売上成長、利益成長、TAMの拡大、マーケットシェアの上昇
→EPSが上昇するから(Q3の好決算はコレ)
②利子率の低下
→割引率が低下するから(FEDの緩和はコレ)
③βの低下
→割引率が低下するから(S&P500採用による今後のボラの低下はコレ)
これは割引配当モデル(DDM)といわれるもので、利益をベースにしたモデルです。キャシュフローの分析ではないので、M&Aなどの企業価値算定には使えません。
しかし、DCFなどのキャッシュフロー分析は変数がさらに増えるので、いかなる結論も自由自在に導くことができるので、結局株式投資には使い物になりません。
株式投資の実用上はDDMで十分だと思います。
もしくは成長株に関してはPEGレシオだけでもいいと思います。
さらにこだわりたい場合は、5年後のEPS予想を精緻化するほうが御利益が大きいと思います。