JPR007さんに学ぶEV市場予測
https://twitter.com/jpr007 ①現在の車両の総数と予測
まずは 車両総数の予測から
https://twitter.com/jpr007 ②世界GDPの成長予測と車両総数との相関関係
世界GDPが増加すれば、車両も増えるよね。
2009年に表面化した、金融危機の影響にもかかわらず、過去10年間の世界車両フリートの成長は「年率+ 3.6%」と非常に安定していた。
フリートの成長率は、世界GDP成長率よりも少し高いです。世界の車両強度は少しずつ増加しています。
グローバルな車両フリート総数は、上記の+ 3.6%の成長率が継続すると思われます。
安定度の高い数字だからです。
世界経済の成長と人口増加が要因
⑥ 乗用車と商用車の車両総数の比率
グローバルな車両フリート比率は、乗用車約73.4%と商用車26.6%となっており、この構成が変化している兆候はありません。
https://twitter.com/jpr007 ⑦新規需要と交換需要
新車の年間販売台数は、新規需要と交換需要からなります。
新規需要:フリート総数の絶対数の増加によってもたらされる
交換需要:損傷した車両、廃棄された車両のフリート総数除外を反映
耐用年数は20~25年だと思われます。
ICE車両の人気がますますなくなり、買い手が新たな代替品を待つことにしたため、ICE業界の販売台数は減少しています。ただし自然需要(潜在的な販売可能台数)の増加傾向が変わったわけではありません。
販売台数が大幅に減少した結果、ICE車両の販売実績は、自然需要との過去のトラッキング関係を大幅に下回ってしまいました。落ち込み幅が急すぎるという議論はあったとしても、コロナのせいにしてしまうのは間違いです。
ICE車への需要減少という構造的な変化が起こっていると考えるべきです。不可逆的なトレンドの変化です。
https://twitter.com/jpr007 ICE車の販売減少予測
これが一番衝撃的な予測かもしれません。
またBEVへ買い替えるために、ICE車への需要が激減していきます。
世界中の政策当局の規制・インセンティブもBEVへの移行を後押しします。
その結果2030年にICE車がほぼゼロになるからです。
2020年の車両の世界販売数は7,400万台
2020 はICE車の終焉を告げる年だったかもしれない。
2021年は、前年を下回って減少傾向がつづく?
または「消える前の最後のあえぎ」(“last gasp before we go” )として下降気味のトレンドへの一時的なリバウンド?(2021年だけは前年比かろうじてプラス?)の可能性がないわけではないが。。。
販売ボリュームが縮小すると逆スケール効果が発生します
-低コストだったものが高コストになってきます。
-現状でも薄い利益率がさらに低下し、慢性的な損失に変わっていきます
-サプライヤーは、生き残りのために収益性を求めて事業から撤退します
ICE車メーカーは清算を余儀なくされます
燃料費の削減、メンテナンスコストの削減などがBEVの台数増加を後押しします。
BEVは大気汚染とCO2排出量を削減します。
新車販売におけるBEVの比率です。2030年には8割を超える。
現状の傾向と約30年の期間に基づいて浸透S曲線(the Penetration S-Curve)を推定しました。
主な成長の制約要因はバッテリー供給制約です
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2027年ごろから二階微分が0以下になりはじめる。加速度が落ちるということ。テスラ的には、ここらへんでシェアのさらなる拡大、エネルギー事業、ロボタクシー事業がローンチしはじめていないと、一回ショックが来るかもしれない。でもあくまで一時的だろう。
COVID-19は、ICE車の崩壊を加速させている可能性があります。
自然需要と、BEVへの需要予測を重ねてみました。
ICE車とEV車の需要予測の合計と、自然需要ととの比較
→これは、新しいBEVを市場に大量投入すべきことを明確に示しています。
問題は、BEVが十分に生産される見込みがないことです。
自動車業界は移行に準備ができておらず、現実的に利用可能なBEVが少なすぎます
特にバッテリーの供給不足は深刻な問題です。
自然需要よりもはるかに低いレベルに、全体の販売台数が低迷していきます。
潜在的なBEVの供給不足が深刻化していきます。
車両1台あたり平均50 kWhを使用しするとします。EVの年間販売台数をサポートするために必要なバッテリー供給量を見積もるとこのようになります。
バッテリー業界は、新規需要に追いつくのに苦労しています。この供給不足問題況は、少なくとも今後10年間続くと予想されます。青い部分は、2020年2月時点で、発表済みの供給計画予測です。
テスラは現在、グローバルに販売されているBEVの20%以上を供給しています。当面の間、少なくともこのレベルの市場シェアを維持することを期待しています。
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ただし現状では、他のメーカーの成長が、テスラの成長に全く追いついていない。
2019年のテスラのグローバル・マーケットシェアは 22.5%
2020年のテスラのグローバル・マーケットシェアは 28.2% (2020年上半期)
競合他社は生産計画においても、バッテリーの供給計画においても、十分な予測値を示せていない。競合他社の動きはあまりに鈍く、リーダーとの差は開くばかりです。
ですから、将来的にもシェアが20%を上回っている可能性は大きいでしょう。
テスラの自動車事業は、年間50%のボリューム成長率が続くとすれはこのようなものになるはずです。2030年時点で2100万台生産予想。
また、1台あたり平均65 kWh使用するとして、テスラの販売台数をサポートするためのバッテリー必要量はこのようなものです。
テスラの株価バリュエーションのために、2031年の販売台数は 24.9ミリオンを想定します。
今年は、販売台数の成長率が、年間15%(株式割引率、ディスカウントレート)を超える最初の年です。
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利益成長じゃなくて、販売台数成長と比較してよいのか?よいのだろう。
2031年における平均販売価格(ASP)は、現在の米国の平均である37,000ドルに等しいと想定します。
今日の56,600ドルと比較して37,000ドルのASPは低いですが、低価格の小型車と高価格のトラックを幅広く組み合わせた結果です。
37,000ドルのASPで2490万台の車両販売 = 925ビリオンの自動車販売収入
テスラの2019年の粗利益率は21.2%ですが、将来的には25%を想定します。
粗利益率25%とすると、230ビリオンの粗利益になります。
約45ビリオンの間接費(Overhead)を想定します。
R&Dに15ビリオンUSD
販売管理費30ビリオンUSD
が内訳です。
販管費は、現在の4ビリオンと比較して、45ビリオンに増加すると考えます。
販売台数は20倍以上になっていますが、スケールメリットによって間接費の増加は10倍に抑えられることでしょう。
営業利益は185ビリオンUSDになります。
20%の所得税を考慮した後の
純利益は148ビリオン
です。
10倍の株価収益率で148ビリオンの148の純利益は、1兆4800億ドルの時価総額となります。
2031年におけるPSR1.5倍を用いると、 1兆3815億ドルの時価総額となる。
2つの評価の平均を取ると、1兆4,300億ドルになります。
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これはオート部門の売上を、超コンサバな想定に基づいて算出した2031年の時価総額です。
これ以外の事業の収益も足し合わせて、適切なPEで掛け算をして時価総額を出します。
(自動車部門だけでも2トリリオン~3トリリオンは十分正当化されるということだろう)
それを今後10年間の希薄化を考慮して、割り算します。
最後にそれを適切な割引率でディスカウントすれば、現在の理論株価を導き出すことができます。
参考資料 米国と中国の車両台数の比較