Matt Smith さんに学ぶロボ・タクシービジネスの課題とポテンシャル

 

 テスラが自社で車両を所有しないケースのモデルです。

 

 

私はテスラのセグメント別のバリュエーションの一環として、ロボタクシー市場の可能性を考えています。

 

イーロンは、ロボタクシー使用の際に、消費者が支払う価格は1マイルあたり1ドルを超えるだろうと述べています。 UberLyftの価格が2ドルに近いこと、通常のタクシーサービスそれよりもさらに高額なことを考えると、かなり合理的な数字です。

 

しかし、長期的に考え始めると、将来、テスラは毎年1,000万台以上の車両を販売します...


個人による車所有が過去の遺物となるような方法、すなわち運輸業界を本当にディスラプトさせるためには、1マイル1ドルは価格が高すぎると思います。

 

IRSのマイレージ償還率(IRS mileage reimbursement rate)(平均所有コストに基づいて計算)は、1マイルあたり 0.58ドル です


による英語からの翻訳
つまり、誰も車を所有しようとしなくなるであろう、真に破壊的な可能性を得るには、ロボタクシーに乗る際のコストを1マイルあたり 0.58ドル未満 にする必要があります。

 

広範に採用される可能性を調べるために、1マイルあたりの価格を0.55ドルに設定し、計算をし直してみました。


タクシーオーナーがコストの大部分を負担するので、テスラの取り分は小さめである必要があります。1マイルあたり 0.10ドル をテスラが取るとします。よってオーナーの取り分は、1マイルあたり0.45ドル です。オーナーはこのお金で、コストを回収します。

 

また走行したすべてのマイル、収益をもたらすわけではないことに注意してください。

 

この試算では、変動費がかかりすぎるので、他にどうすれば変動費を最小限に抑えることができるだろうか、と考え始めました。そしてソーラールーフより、ロボタクシーを充電するのであれば、変動費ベースで無料であることに気づきました。

 

そこで私は、オーナーがが必要とするソーラーアレイの大きさを調べ始めました。

 

電費が適度に向上し(約4.25マイル/ kWh から 4.5マイルになり)、年間90,000マイルを運転すると仮定すると、オペレーターはロボタクシーに電力を供給するためには、年間20,000kWhが必要になります。

 

太陽光発電に20%のキャパシティ・ファクターを使用します。(この数字は南で高く、北で低くなります)

 

11.4kWのソーラーアレイサイズがrobotaxiに電力を供給するのに十分であることを示しています。また、robotaxiがお金を稼いでいる間、日中にそのエネルギーを取り込むことができるように、パワーウォールを1つか2つ購入する必要があります。¥

 

テスラの現在の価格設定では、この総コストは$ 17Kです。

 

 

https://twitter.com/MatchasmMatt

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これらのコストをロボタクシー購入コストに追加しました。これは、製造技術などの改善により車両コストが適度に低下すると同時に、自動運転がより多くの価値を提供するようになるため、FSD購入コストが急速に増加していくであろうことを想定しています。

 

現段階での、総初期費用は $ 79K です。

 

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ただし、ロボタクシーを運用するための限界費用は0ドルではありません。オーナーが負担する必要があるコストは、メンテナンス費とオーバーヘッドです。これらは予測が困難ですが、過去のメンテナンスコストに関するTesloopからのデータがあります。

 

Tesloopのデータによると、このコストは 5セント/マイル を下回る程度の水準でした。したがって、保守的に見積もり、それらのコストを 1マイルあたり0.05ドル に切り上げると、年間4,500ドルのメンテナンスコストが発生することになります。

 

ここでさらに保守的に見積もり、諸経費と税金で車両1台あたり7,500ドルの追加コストが発生すると考えます。もちろんこれは総車両台数により変わってきます。

 

オペレーターにとっては、1マイルあたり0.55ドルという料金設定であって、収益性の高いビジネスになります。

 

6.5%の割引率であっても、これは1台あたり38,000ドルのNPVに相当します(理論的にはNPVを1ドルでも上回れば投資価値アリと判断される。)。これはロボタクシーオペレーターにとっても非常に魅力的なビジネスとなります。

 

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最もエキサイティングなのは、テスラにとっての数字です。1マイルあたり0.10ドルの収益だけでなく、FSDの初期費用もテスラの収入となります。

 

ここでは除外したソーラーとバッテリーの売上は言うまでもありません。これは、車両1台あたりの現在価値が45,000ドルであることを示しています。

 

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テスラが年間1,000万〜2,000万台販売している場合、キャッシュフローと株価への影響は驚異的です。このような低価格でこれほど多くの価値を生み出すことができるとは信じがたいです。

 

利用者にとって意味があり、オペレーターにとっても意味があり、テスラにとっても意味のあるプランです。


テスラが車両を直接保有する可能性も考慮しましたが、モデル化しませんでした。人口密度の低い地域では、顧客が所有権を望むでしょう。また人口密集地域では、車の所有とロボタークシーの運営を並行することが一般的になると思います。