デイビッド・ワンさんのNIOデーツイートまとめ:NIOデーの勝者は誰か?
テスラコミュニティの反応なのでNIOには厳しい内容となっていますが、EV市場の成長に合わせてNIOの販売台数も拡大していくという前提での話です。
1/10 Quick thoughts & winner/loser prediction after watching #NIO day. Impressive event, nice sedan, wish NIO to be successful, but some concerns:
— David Wang (@DongyanWang8) 2021年1月10日
1. FSD HW from #Nvidia. HW spec does not equal good AI results. #Tesla chip is custom & optimized for Tesla only, super efficient...
①
テスラのアプロ―チである「カスタムSoCと統合ソフトウェア」という組み合わせは、Nvidiaのような汎用的なチップによるものよりも、効率的に特定の目的を達成できます。(Apple M1チップがIntelよりも優れているのと同じ)
したがって、NIOが主張する7倍の計算能力は、NIOの開発するFSDが優れたものであることを意味しません。
またNVDAのソースと、今回公表された計算能力をかけ合わせれば、消費電力はテスラの3.5倍~4倍となるでしょう。これは航続距離にマイナスの影響を与えます。
②
最も失望したのは、NIOがバッテリーとEV製造の自社工場を発表しなかったことです。独自のバッテリーと自動車製造能力がなければ、NIOの成功は大きく制限されます
③
本当に全固体電池が製品投入できるとしても、2022年第4四半期はやや遅いと思います。
ただし全固体電池として考えた場合、米国のクオンタムスケープ社よりは、素早い市場投入になります。クオンタムスケープの2025年または2027年以降のタイムラインは遅すぎます。
④
NIOのロイヤルティプログラム(車を購入するときにポイント付与、商品に使うなど)は、ある程度までしか機能しません。
ユナイテッド航空のマイレージプラスプログラムでは、多くの人がポイントを獲得するためにユナイテッドを利用していますが、他により良い選択肢があれば、乗り換えられられます
それだけでは顧客をつなぎとめることは難しいでしょう。
④
NIOデーの勝者と敗者です。
大勝者:テスラ
テクノロジー面での大きなアドバンテージが再び確認されました。
何年も前にリリースされたモデルS / Xは、いまだどのメーカーも追いついていません。
テスラのバッテリー、FSDは紛れもないリードを保っています。
勝者:#CATL 、#BYD 、#LG
もしかしたら、LGはコストの懸念のため勝者ではないかもしれない
EVレースで誰が勝ってたとしても、#CATL 、#BYDは大きな勝利を収めるでしょう。
バッテリーメーカーがEVメーカーとともに、バッテリー技術を進歩させること。
これが「EV+エネルギービジネス」の成功の鍵を握ることになります。
小さな勝者:#Nvidia
NVDAは、#Intel MobileEye 連合から勝利を収めたと思います。
NVDAは、FSDハードウェアビジネスを大きく獲得していくでしょう。
今後は、テスラ用の テスラFSDHWと、それ以外のすべてのプレイヤー向けの Nvidia FSDハードウェアという位置づけになります。(テスラは他社にライセンス供与する可能性はあります)
(ルネサスR-Carは死亡?)
短期的な敗者:NIO
NIOは、長期的には成功すると思いますが、短期から中期にかけては難しいでしょう。
テスラの3&Yは、低価格でより良い車です。
バッテリー/自動車工場と独自のFSDIPを早急に構築しないと、NIOはテスラと直接競争することはできません。
ただし、NIOは、ICE車からは勝利を得るでしょう。
NIOがバッテリー/自動車工場とFSDIPを今後構築していく場合、資本を調達するため、増資しつづける必要があります。
最大の敗者:ICE車
特にBBA(BMW、ベンツ、アウディ)は、中国で今後ますます厳しくなるでしょう。
⑤
NIOはFSDHWのみの発表でした。 アルゴリズムおよび、データ収集の発表はありませんでした。
そして、テスラのFSDウェアに対して、7Xの単純計算能力のみを強調しました。しかし FSDチップの計算能力だけではミスリーディングです。
私はAIの専門家です。優れたAIソリューションには計算能力、アルゴリズム、データが揃うことが必要でです
実証済みのFSDアルゴリズムと大量の実データがなければ意味がありません。7倍のHW計算能力だけではFSDの成功を意味しません。
さらに、NVDAの4つのチップを搭載したハードは莫大な電力を消費します。
⑥
Lidarはハードの一部分であり、FSDの成功を意味するものではありません。
多くのAI専門家、そして私もテスラのアプローチに賛同します。
つまり、コンピュータービジョン(カメラ・Rador・超音波センサー)が、FSDへの最良のアプローチだということです。
Lidar&3DHDマップはマップがない場所では使用できません。
⑦
NIOのCEOは、2022年第4四半期に150KWの全固体電池パックを搭載した車両を発売すると発表しました。
ただしNIOデー後に「NIOが固体と液体の混合バッテリーだと訂正した」と、中国メディアは報じています。
株主からマーケティング上の強いプレッシャーがあり、テスラより優れているとアピールする必要があったのかもしれません。
⑧
NIOのCEOは、NIOを「ローエンド」ではなく、BMWベンツアウディと競争するハイエンドとして位置付けています。NIOは既存のオーナー保護のために、価格を下げないといっています。
私はこの戦略が、うまくいくかどうか懐疑的です。
現代の消費者はスマートであり、派手なインテリアだけでなく、より良い車輛とを割安な価格を選好するからです。
⑨
NIOのロイヤルティプログラムは、古くからのオーナーが、新車を購入する際に、大幅値引き、FSDの月額サブスクリプションを提供するようです。
これは新規オーナーを犠牲にした販売方法です。
それとは逆にテスラオーナーは常に、過去と比べてベストな価格で最良の機能を手に入れることができます。
⑩
NIOはテスラとの競争において、途方もないプレッシャー(価格、コスト、FSD)にさらされていると思います。テスラが 3 / Yの価格を下げてきました。S / Xのアップデートもありそうです。
問題は、NIOが今後もプレミアム価格を維持できるかどうかです。
⑨
販売量の拡大、生産コストの削減を達成するまで、顧客にプレミアムカーのステータスを納得させつづけ、高価格を請求し続けることができるのか。
もしくは独自のバッテリーとファクトリーを建設するために資本を調達しつづけ、徐々に販売価格を下げていくのか。どちらも難しい戦略です。
⑩
その他の企業に関してです。CATLの高成長は長続きすると思います。EV/エネルギーという新たなゴールドラッシュにおける、シャベルとジーンズとなるでしょう。
BYDは何十年もの間バッテリー開発・製造に取り組んできました。
独自のバッテリー/自動車製造および技術スタックを所有しています。
新しい「ブレード」バッテリーが大きな注目を集めました。
車のデザインはすぐに良くなってきます。
EVバスの製造と輸出も強みです。
$TSLA、$CATL 、$BYDDYの3社は巨大なEVアダプションのメガトレンドに乗って2021年も上昇していくでしょう。
NIOは長期的には成長するでしょうが、将来の成長力から見てバリュエーションが非常に高く、リスクが高いため、慎重に検討する必要があります。
また、NIOはテスラをライバル視するのではなく、ICEカーからいかにシェアを奪っていくのか、その競争により焦点を当てるべきだと思います。
Apple + Hyundaiは良い考えだとは思いません。私はAAPLは車に関してもBYDと提携すべきだと思います。すでに提携の実績はあるのですから。
中国のEVサプライチェーンは、機能と低コストの両方ですでに確立されています。
Apple+BYDは、普及への最速ルートだと思いますが、しかしそれでもテスラの競合となることは難しいと思います。
厳しめの反応
Why didn’t Nio do their own batteries or FSD chip?
— ⚡️特拉风🦔T☰SLA mania⚡️ (@Tesla__Mania) 2021年1月10日
Because they simply don’t have the tech.
Nio is exactly like a traditional auto, buying parts from suppliers and assemble them. They are offering low tech stuff, aka “high end services”😂
Good luck selling PowerPoint slides. https://t.co/7OrjbDOIFg
Nioが独自のバッテリーやFSDチップを公表しなかったのはなぜ?
「ラグジュアリーライフスタイル」ブランドとしてポジショニングしようとしているのはなぜ?
単に実現するための技術を持っていないからです。
NIOは従来の自動車メーカーとまったく同じで、サプライヤーから部品を購入して組み立てるだけです。
NIOはローテクなものの別名すなわち「ハイエンドサービス」を提供するだけです。
パワポスライドの販売頑張ってください。
その他の人
・バッテリー交換とLiDARは無用の長物です。
・バッテリー交換ステーションの設置は、チャージングネットワークよりも、多額の資金を必要とします。
・実際は、すべての交換ステーションに人員を配置しなければいけません。
・交換バッテリーが充電中の場合、交換予定時刻までの待機時間が発生します。
・ピーク交換需要に合わせたセル数を生産しなければならず、コスト高です。
・テスラはずっと前にバッテリースワッピングを検討しましたが、計画を放棄しました。
・パックサイズが異なるモデルが混在していますが、どのように交換対応するのか、予備バッテリーを保管しておくコスト負担も大きなものになります。
〇個人的感想
NIOデーは、最初のコンサートの時点で、見る気なくしたんだよね。
コンサートを最初から持ってくる時点で「うわべの取り繕い」を感じて。
「これって既存のICEメーカーのカタログ(パワポ)エンジニアリングの手法と一緒じゃん」って。
ゼロベースで技術開発してないから「販売ネットワーク力」と「イメージ戦略」と「目くらまし多品種少量オプション戦略」で勝負するしかない。
ネーちゃん(若いとはいってない)に厚化粧さして田舎者のジジイに、そこそこの高級車売りつけるレクサスみたいな妄想戦略(元RXオーナー乙)。
カップホルダー・イノベーションというか、カタログ・エンジニアリングであるがゆえに生み出される製品の持つ、あの独特の「コレジャナイ感」ね。
別の言い方すればコレ↑みたいな。
ただ充電器につなげばいいだけなのに、大量の蓄電池コストとか、ロボットを動かす機構とか、不必要なメンテナンスとか実現する意味が全くない雰囲気技術。
「なかなか革新的なサービスじゃないか、その方向で進めたまえ」っていう言葉が目に浮かぶ会議風景というか・・・
本当に必要なものを、古いしがらみ抜きにゼロから考えていない。それゆえに生み出される、消費者を「ナメてる」感。「お前らの欲しいものなんてこの程度だろ」という見下し感。既存の枠組みの中でしか思考してないことから生み出される「コレジャナイ」感。
車内マスコットとか、マッサージ機能とか要りますか?ニオ・オーナーハウスとかホントに利用したいですか?ウーブン・シティと同じ気持ち悪さを感じません?
全てがそろっていて、至れり尽くせりです!っていって、だけど肝心な欲しいものが微妙な店屋みたいな。
プロダクトで差別化できないから、イメージで差別化する古典的なマーケティング戦略にしか見えない。
ホントに革新的なプロダクト作ってたら、あんなイメージアピールいらないから。
テスラのバッテリーデーとかオートノミーデーっては簡単なイメージビデオのあと、即座に技術説明会になったわけでしょ。
伝えたい革新的な取り組みがいくつもあるから。で株価を吊り上げることが目的じゃなくて、リクルートが目的だから。世界最高水準のエンジニアを一人でも多くテスラに呼び込みたいから。
「あなたが自分の才能をフルに発揮できる、ワクワクする、チャレンジングなフロンティアがここにありますよ!」
って猛烈にアピールしてたわけでしょ。
バッテリースワップだって、テスラの「セル・ツー・シャシー技術」で、極限までレンジ効率改善しようという試み見てたら、重量増、エネルギー密度減でしょ。コスト面、安全面考えてもお笑いのネタでしかなくない?
NVDAだって、テスラはFSDシステムメーカーとしてはとっくの昔に見捨ててる。NVDAは、あくまで優れた汎用GPUをつくるメーカーであって、専用GPUメーカーではない。NVDAの自動運転用GPUは、幅広い顧客に対応するために、チップレベルですでに余計な機能が満載されている。あれユニットあたりおそらく3千ドルはするし、しかも電気バカバカ食って航続距離犠牲にするよ。
そもそもFSDにGPUが最適なのかという根本問題もある。そこでテスラは、消費電力を喰うDRAMをチップ上から大きく減らして、SRAMを採用し、NN計算に特化させたチップを独自開発して、それにニューラルプロセッサーという名前を与えた。
NVDAのORINは、使い物になるレベルの計算させようとしたら、電気喰いまくって大幅に航続距離短くなるよ。
株価押し上げておいて、増資しまくって、その資金で研究開発費や投資をファイナンスするための、ハイプ・デーの感じがするなあ。
テスラよりチョイ安の雰囲気EVなんとか形にして、拡大するEV市場の中で一定のシェア握って、そのうちワンちゃん狙えればOK!って戦略に思えるなぁ。
EVという成長市場にいるんだから、そりゃ成長はしますけど、それだけの存在な気がする。
あと全固体(か準固体かしらんけど)電池系は、もう何年も噂や新発表ばっかり聞かされ続けて聞き飽きた。
いくらでも出せるコンセプトやプロトタイプはもういいです。
ギガワット級の供給力あって、採算のとれる可能性のある、全固体電池の量産ライン早く実際に作ってくれや。
かりに準固体でなくて全固体電池だとしたら、世界中の研究者が取り組んでいて、ラボレベルでも達成されていないブレークスルーがまだいくつもある技術。それなのに、2022年に車載用の全固体電池の量産なんか絶対にできない。
それともNIOやそのサプライヤーは、ノーベル賞級の発明できる研究者やエンジニアを、いままで一切の研究発表させずに何十人も隠して養成していて、技術開発済みで、パイロットラインも製造済みなのかい?なわけないよね。
しかも世界最高の頭脳と経験を持つエンジニアを集めまくっているテスラを差し置いて。
そもそも全固体電池は車載用には向いてないしね。
サプライヤーが「できる可能性があります!それに向けて努力します!」っていう社交辞令トークを実際の投入予定製品として発表しちゃだめよ。株価押し上げのために。
実際に開発主導してないからああいう発表ができるんだと思う。あとで全部サプライヤーのせいにすればよいから。
あとFSDに関しても、シミュレーションでは全く不十分。実データの収集と、その実車両への「シャドー・モード」によるフィードバックのループが軽視されているとしたら、それは大きな間違い。
現実をシミュレーションできるエンジニアなんて存在しないのだから。ロングテールというか、6シグマの安全性を保障するには、シミュレーションじゃ無理。実車輛との大規模なフィードバックループが絶対に必要。
テストの答え合わせを自分で採点するような環境で鍛えたって実戦で使えるものはできないよ。
AlphaGOとかにたとえるアナロジーも間違い。碁はそもそも完全情報ゲームでしょ。碁盤ひっくり返すような相手にも安全に勝つ方法なんて考える必要ないでしょ。
現実の道路では動物がいたり、看板がマチマチだったり、なんでもありですから。
個人的には今の株価からNIOはないな。だったらBYDかCATL含んでる商品に投資するな。